居酒屋の意外な事実

居酒屋の意外な事実

「和をもって尊しなす」という仲良しクラブは社交の場としてはうってつけだが、ビジネスは戦いの場である。
しかも戦いの相手は社内ではなく社外に存在するのだ。 意識と目は社外に向いていなければならない。
基本理念という抽象的な部分では同質化していていい。 戦術、戦略などの方法論の分野では、異なる意見、発想、方法がなければ、組織としてのシナジー(相乗)効果は期待できない。
意見を戦わせて、新しいスキル、ノウハウ、方法を駆使して、敵に勝たなければならないからだ。 奇しくも、N産自動車は異質な戦略論を持った人材を受容した。
V字変革を実現させた要因である。 価値観など、N産もTヨタもそれほど変わるわけがない。
その価値観を具現化するための発想と方法論にそれぞれの特徴があるのだ。 この点がダメだったから、ダメな会社となり、この点が秀でたから、伸びる会社に変身しただけのことである。
ライバル企業の商品やサービスに勝つためには、それらを凌駕するものを提案できなければ不可能である。 ひと頃流行った経営ノウハウに「ペンチマーキング」というものがある。
異業種、同業種を問わず、優れた商品、サービス、マネジメントをマークして、それにできるだけ近づこうとする方法だが、これだといつまで経っても2番手、3番手にすぎないことになる。 私自身、この方法を勉強したけれども、やはり、ペンチマーキングの対象とした相手を超越しなければ話にならないことを悟った。

すなわち、自分なりに付加価値をどう加えるか。 差別化を伴った付加価値を追求しなければならないのだ。
伸びる会社、伸びる社長はこの正しい差別待遇をしている。 ある企業のマネジメントを担当したことがあった。
それ以前の制度では、社員の評価、たとえばボーナスの場合、最高を仮に100万円とすれば、最低が90万円だった。 何百人もの社員に適用されていたのだ。
がんばってもそうでなくても、たった10万円しか違わないのである。 それで制度を変えた。
最高は200万円、最低はゼロとしたのである。 社員は、競争原理の導入にショックを覚えたと思う。
これによっていい意味での緊張関係が生まれた。 いままで、やる気満々の社員が内心9館たる思いをしていたのが、きれいさっぱりなくなったからだ。
やる気のある人間はさらに励むようになり、やる気のない人間は自ら活を入れて気持ちを入れ替えるか、あるいは職場を去るか、いずれにせよ、現状のままではいられなくなった。 この変化が組織を活性化させたのである。

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